倦怠期

■倦怠期

土曜日の朝のこと。
近所のご夫婦がうちの前を散歩していきます。

この間まで、お二人の間には、よちよち歩きのお孫さんがいらしたのに、
もうすっかり自分の世界に夢中なのか、今はお二人でのウォーキングタイムとなっています。
足並みのそろったその様子は、長年連れ添ったご夫婦ならではの信頼感と優しさが漂っているようで、こちらまで和やかな気持ちになります。

我が家の中に目を移してみましょう。

この1週間もとても忙しかった夫は、昼前までは、起こすのも気の毒なほど疲れており熟睡しています。
小学生の子供たちは、昼からのスポーツ教室の準備をしつつ、宿題を片付けています。
私は、平日よりも念入りに新聞に目を通し、食材調達のために冷蔵庫の掃除を始めます。

結婚して十数年。
まったく普通の家庭、いつもの光景。
これも、ヒトツの幸せの形なんだろうなぁ…
ドキドキするような刺激はないものの、大きな不満もなく、地道にまじめな生活をしている、といった感じです。

子育て中のこの10年、夫婦二人で出かけることなど、ほとんどありません。
子供たちが一緒でひとつの家族。
みんなそろっていないと落ち着かないし、子供達をおいてまでして夫婦二人で何か特別のことをしたいと思ったことはありません。

散歩中の老夫婦を見ながら考えます。
私たちも、仕事も引退し、子供達が巣立ったら、二人で足並みをそろえて歩く日がくるのかしら…。
二人で旅行に行って、楽しめるのかしら…。

☆☆☆

さて、家族としての和は順風満帆だとして、夫と私の「個人的」感情は、二人の歴史の中でどのように変わってきているのでしょう。


夫にインタビューしてみました。

Q・奥さんは結婚してから15年でどこが変わりましたか?
A・神経太くなったよね…。体も太ったし。細かいことでよく怒るよね。

Q・今、奥さんとやってみたいことはありますか?
A・そうだなぁ。
今は子供達がどんどん大きくなる時期だから、一緒に旅行したり思い出を作ってあげたいなぁ。(娘だからね…すぐ出て行っちゃうだろうし)
子供がいなくなったら、一緒にゴルフでもする?(…苦手なんですけど)

Q・奥さんの事を愛してますか?
A・うん。ほどほどに。いないと困っちゃうしね。
 

一応、数年の恋愛期間を経ていましてね、お互いに「あなたがいなくちゃ死んじゃう〜」ぐらいのテンションで結婚したわけですよ。

今は、特に人前でベタベタとくっつくわけでもなく、甘い言葉をかけあうわけでもなく、お互いに「慣れきった」関係。
でも、ほどほどに仲が良いと思っています。

嫌なところが見えることも、それが原因で喧嘩をすることもよくあります。
喧嘩をしていなくても、なんだか最近つまらないなぁと思うこともあるし、
逆に、子供達が自立すれば、二人で遊びたいね、と、未来の話をすることもあります。

今突き詰めて考えてみると、「倦怠期だったのか…」と思う時期はあったものの、
それなりに忙しかったり、なにかほかに考えることが出来たりと、深く思いつめることもなく済んできました。

☆☆☆

「倦怠期」について調べることがありました。

ひとつの理由には、年下の友人夫婦の離婚危機。
もうひとつには、年上の友人夫婦の死別。

どちらも、直接「倦怠期」に結びついたわけではありません。

離婚危機を回避するために、なぜそうなったのか、どうすればいいのか、を探っていた中でキーワードとなってきた言葉。
子供が成人して、やっとこれから夫婦が恋人に戻って、穏やかな老後に向けて楽しもうと思っていた矢先の闘病生活。辛い看病と死。

私と夫が、穏やかで何も事件のない平凡な生活を「幸せ」だと思い続けられたら、
突然何かが起こった時に、乗り越えられる力になるのでしょう。

倦怠感を感じているところに事件が起きたとき、自分ならどうするだろう…。
二人で乗り越えるのも、別れて一人の人生を歩むとしても、自分の未来です。
その乗り越え方は、人それぞれで、アドバイスどおりにすればうまくいくわけではありません。

年下の友人が泣きながら悩み、女として出来る努力をすべとして見た結果、別居という形をとったこと。
年上の友人が、常に遺伝性の病気に悩まされ、結婚期間中にできるだけの愛を残していったこと。

そんな中で感じたことや、普段の私にできそうなことを、常日頃から心に留めようと
思ったのです。

☆☆☆

倦怠期とは、相手のことが飽きて嫌になる時期のことを言います。
恋愛中のカップルでも、倦怠期という言葉を使いますが、基本的に恋愛中の場合には、別れる自由があるので、特に夫婦の間柄で使われます。

病気の時にも、体の倦怠感(疲れてだるいこと)がありますが、心がそういう状態になることです。モヤモヤしている段階では、軽い「心の風邪」とでも言いましょうか。

倦怠感は、長く一緒にいることで起きてしまう感情です。
どのぐらいの時期を「長く」と感じるかは、個人差があります。

恋愛中、気持ちが燃えさかっている時は、24時間一緒に居たとしても離れがたく、ずーっと一緒にいたいという気持ちがあったでしょう?
一緒にいるだけでドキドキして、何をするにもワクワクして、その勢いで結婚した人も多いのではないですか?

ところが、結婚すると、何かの理由がない限り「別れる」ことはありません。
基本的には、ひとつの家族になって、ずーっと一緒にいようという決意が「結婚」なのですから。
その安心感でまずドキドキがなくなるでしょう。
生活をすることで、ワクワクするような行事を企画することが少なくなります。
子供ができることで、二人の時間がなくなります…。

それを、平凡な生活としてやり過ごす人も多いでしょう。

しかし、
なぜかわからないけど漠然とした不安を感じたり、
すごく好きなんだけど、恋愛中のような愛情ではないような、
愛しているんだけれども、何か足りないような気がする、
夫の気持ちが離れているような気がする
ドキドキ・ワクワクしない自分に嫌気が差す…

そのような説明のできない、確証のない気持ちを感じてしまうのが「倦怠感」です。
そしてその気持ちが続くのが、「倦怠期」です。

倦怠期を感じてしまうと、モヤモヤした気持ちが溜まり、「元気」がなくなってしまいます。
元気がなくなると、自分の気持ちを伝えることも、乗り越える方法を探ることにも消極的になってしまいがちです。

結婚したら必ず倦怠期が来るのか?
それは乗り越えることができるのか?

これに答えはありません。
倦怠期に気がつかない性格の人もいるし、
モヤモヤしながらも、時間が解決してくれることも多い。
時間を重ねることが、安心に変わっていく場合もある。

だから、決して、もういいや…と投げださないで。
自分の気持ちを少し変えることで、元気が戻ってくることが多いのですから。

☆☆☆

倦怠期の兆候を、まとめてみました。

・夫(妻)といっしょにいても楽しくない
・あまり会話をしない、会話が盛り上がらない
・返事するのが面倒に感じる
・同じ空間にいると、息が詰まりそうになる
・嫌な癖ばかり、目につく
・セックスが義務的になる
・セックスレスになる
・行き先を聞かなくても気にならない

ひとつでも感じたら、軽い倦怠期に入っているかもしれません。
気持ちを切り替えて、夫婦のあいだに新鮮な空気が流れるように、刺激を与えてみましょう。

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